1. 収納計画の鉄則:業者まかせにしない
収納スペースを作る際、最も重要なのは「何を収納する予定かをある程度決めておく」ことです。
業者に任せきりにしてしまうと、一般的なサイズ(半間など)で設計されてしまい、実際の生活スタイルに合わないケースが多々あります。
- STEP 1
収納するモノのリストアップ
- STEP 2
モノに合わせた「有効奥行」の算出
- STEP 3
扉の形状や棚板の仕様(可動式など)の決定
2. 奥行別・収納に適したアイテムガイド
ソースに基づき、推奨される奥行とその用途を4つのカテゴリーに分類します。
① 奥行 約90cm(有効内寸 約80cm)
主に和室の「押し入れ」に見られるサイズです。
- 最適なモノ: お布団
- 注意点: 現代の生活では、布団以外の収納には深すぎることが多いです。奥行が深すぎると奥のものが死蔵品になりやすいため、IKEAの「スクッブ」などの収納ケースを活用して、奥まで有効に使える工夫が必要です。
② 奥行 約70cm(有効内寸 約60cm)
クローゼットとして最も標準的なサイズです。
- 最適なモノ: 洋服(ハンガー掛け)、一般的な収納ケース
- ポイント: 洋服を掛けるには有効で55〜60cm必要です。特に男性用のコートなどは幅を取るため、余裕を持った設計が求められます。市販のクローゼット用収納ケース(奥行約55cm)がぴったり収まるサイズ感です。
- ハンガーの肩幅を考慮する
- 有効55cm未満だと、扉に服が挟まる原因に!
③ 奥行 約45cm(有効内寸 約35cm)
リビング収納やパントリーに最も汎用性が高いサイズです。
- 最適なモノ: A4サイズの資料、日用品雑貨、100円ショップの収納ケース
- ポイント: A4ファイルがちょうど収まるため、書類整理に最適です。棚板を可動式にすることで、デッドスペースを減らし、さらに収納効率を高めることができます。
④ 奥行 約30cm(有効内寸 約20cm)
キッチン周りや廊下などの「ちょっとしたスペース」に有効です。
- 最適なモノ: 調味料、普段使いの食器、文房具、ニッチ収納
- ポイント: 奥行が浅いメリットは「一目で見渡せる」ことです。奥にモノが隠れないため、使用頻度の高いものを置くのに適しています。
3. プロが教える「有効寸法」の罠
「設計上の寸法」と「実際に使える寸法(有効内寸)」は違うという点です。
- 壁の厚みや扉の厚みを考慮する: 設計図上の奥行が45cmであっても、実際にモノを置けるスペース(有効)は35cm程度になることがあります。
- 扉の干渉: 折戸などの場合、両端のモノが取り出しにくくなることがあります。
- 有効内寸の確認: 柱や扉の厚みを引いた「実質的な幅・奥行」を計算しているか?
- 収納用品の先行選定: 使いたい収納ボックス(無印良品やニトリなど)のサイズに合わせているか?
- ライフスタイルの変化: 将来、収納するモノが変わっても対応できる「可動棚」を採用しているか?
4. まとめ(参考資料)
収納の奥行は、ただ広ければ良いというわけではありません。「深すぎて使いにくい」よりも「浅くても用途に合っている」方が、片付けのハードルはぐんと下がります。
片付けが苦手な方は、まず「ここにはA4の書類を置く」「ここには服を掛ける」と場所ごとの役割を決めることから始めてみてください。コーディネーターの方は、お客様に「何を置く予定ですか?」と一歩踏み込んだヒアリングをすることで、満足度の高い住まいづくりを提案できるはずです。
何を収納するかを明確にすることが、後悔しない収納スペース作りの第一歩です。